2014.10.01更新

"これからの季節、多くなっていくRSウイルス感染症。
これは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症なのですが、正直、大人の方から見れば鼻汁が出て、ちょっと熱が出るぐらいの症状で、それほど大騒ぎするウイルスではありません。
しかしこれは、あくまでも大人の話。
赤ちゃんの場合はそう簡単にはいかないので、お母様、お父様はご注意ください。

実は、1歳に満たない赤ちゃんがこのRSウイルスに感染すると、細気管支炎にかかる可能性が高く、これは重度の気管支炎なので軽視できないのです。
特に3か月未満の乳児および、何らかの基礎疾患を持っているお子様、また、もともと早産で産まれた赤ちゃんなどは、重症化のリスクは高まりますから、尚更、危機感を持っていなければなりません。
またそこから、肺炎へ進展してしまうケースもあるので、さらに注意が求められます。

ちなみに赤ちゃんのうち、1歳までに約50パーセントが、2歳までにほぼ全員が、RSウイルスに最低1回は感染すると、国立感染症研究所は発表しています。
つまり、ほとんどの2歳までのお子さんに、RSウイルスの感染は必然という状況なので、その感染月齢が低ければ低いほど、注意が必要という事になります。

RSウイルス感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
ワクチンもなく、大人がかかった場合、軽症でRSウイルス感染症だと気が付かないケースが大半ですので、感染の拡大が容易であるところが小さな赤ちゃんには脅威です。

1歳未満の赤ちゃんや早産児、基礎疾患があるお子様のいるご家庭では、ご自宅の遊具などはアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、手洗いおよび、アルコール製剤による消毒を周囲の大人は徹底しましょう。
更にはRSウイルス感染症が流行する秋口からは、不用意に人ごみへ出かけないように配慮しましょう。"

投稿者: り耳鼻咽喉科

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