2014.09.29更新

"滲出性(しんしゅつせい)中耳炎は、1歳から6歳ぐらいまでのお子様がなりやすい疾患です。
ちくのう症やアデノイド肥大などで、日々鼻づまりがあり口呼吸をしている、急性中耳炎が完治していないなどが原因となり発症します。

症状としては、聞こえが悪い、よく耳を触る、耳がふさがった感じ、耳に水が入った感じなどが一般的ですが、子どもはこれらの症状を訴えないことが多く、また、急性中耳炎と異なり痛くはないので、親御さんが気付きにくいのが難点です。

【滲出性中耳炎の検査】

滲出性中耳炎の検査は多岐に渡ります。
問診はもちろん、鼓膜の状態を視診し、内視鏡検査やレントゲンでアデノイド肥大やちくのう症の確認をします。
5歳前後のお子様の場合は、可能であれば聴力検査も行います。
ティンパノグラムで鼓膜の動きの状態をチェックし、状況によっては鼻汁培養検査を行う事もあります。

【滲出性中耳炎の治療】

きちんと治療を行えば、通常は3週間ほどで完治します。
治療は、薬物治療、鼻処置、ネブライザー、耳管通気療法などを行います。経過により鼓膜切開を行うこともあります。
3か月以上治療しても完治しない場合は、治療が長期戦になる事があります。また、再発することもしばしばあります。症状に乏しく、治療に時間がかかることがありますが、通院治療を中断しないようにして下さい。
約3か月間、通院治療で治癒しなければ、手術(鼓膜チュービングやアデノイド切除術)を行うケースもあります。

正直、10歳以上の滲出性中耳炎は厄介です。
鼓膜チュービングなどの治療をしても、中耳炎が完治せず長引く可能性が高いです。守株の治療を試みてベストを尽くしできるだけ後遺症を少なくするよう努力します。"

投稿者: り耳鼻咽喉科

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